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サブカル文化交流は日中関係を変えるか?

実家の母は、目下イ・ビョンホンから乗り換え、黄晓明のファンです。
日本で放送された中国のテレビドラマ「上海グランド」(「上海滩」)の影響であることは一目瞭然であります。

私は、中国でほぼリアルタイムで同ドラマにはまり、いろんな日本人に勧めて回っていたクチだったので、日本で放映(しかも地上波)されると知ったときは、「それみたことかー!!」と叫びたい気持ちでした。

このドラマを見れば、中国ドラマの迫力やダイナミズムがきっと日本人にも伝わると思ったし、さらに深いところでは、中国が近代化の過程で日本をはじめとする列強諸国にいかに食い物にされ、それに対し国内一丸となって対抗する術を持たなかったことに中国人がいかに傷ついているかということがよくわかります。


サブカルチャーが伝えるものは、実は世界史の教科書よりずっと大きい。
ドラマは特に、主人公に感情移入してみるものゆえに、相手の立場にたった相手国の理解が進みます。


   ■    ■    ■


さて、日本のサブカルチャーが中国の若者に与えた影響を研究していらっしゃる北京日本学研究センターの呉咏梅副教授が20日、北京大学で開かれた第19回北京日本人学術交流会で発表されました。タイトルは「中国における日本のサブカルチャーとジェンダー ―『80後』世代中国人若者の日本観―」。発表を聞きに行ってきましたので、ご紹介します。


呉先生
(写真は、発表を行う呉咏梅先生=20日、北京大学構内で)


呉先生は2002年以降、中国の80年代生まれの若者に対し、インタビューなどの形で調査を行い、彼らがなぜ日本のドラマやアニメなどのサブカルチャーを好むのかを明らかにしてきました。


呉先生の定義によると、「80後」世代というのは、一人っ子世代であり、消費主義者であり、ネットワークを自在に使いこなし、幼いころから日本のアニメ文化に育てられる一方、勉強や就職難といった圧力に苦しむ世代でもあるといいます。


自らを「小資(プチブル)」「BOBO族(ブルジョア&ボヘミアン)」などと言い表し、自由と個性を何よりも大切にするライフスタイルを好む反面、人間関係が上の世代より希薄になっているため、心の底で共感を求めているという特徴があるそうです。


ところが、そんな彼らが青春期に達した時、周りには共鳴できる等身大の国産サブカルチャーがなかった。
中国のドラマは、建国にまつわる英雄ものか、時代劇、現実的なホームドラマといったものが多く、呉先生曰く「今の若い人は英雄主義を信じてないし、ホームドラマはたいてい家庭崩壊を描いたもので希望を与えられるものではない」とのこと。

また、ハリウッドドラマにはちょっと距離感があり、香港や台湾、シンガポールの華人社会のドラマはリアルでない、ということで、「東京ラブストーリー」のように個人に焦点をあて、揺れる気持ちや恋、友情、仕事などを身近に描き、なおかつ容貌も近いので感情移入したり、登場人物のライフスタイル真似たりしやすい日本のドラマに共鳴したのだといいます。


日本ドラマは1980年代の第一次ブーム、90年代半ばから2002年頃の第二次を経て、現在(2006年以降)は第三次ブームで、「白い巨塔」「黒革の手帳」といった社会派ドラマから、青春・学園ものの「花より男子」「ドラゴン桜」、ホームドラマの「渡る世間は鬼ばかり」など幅広いジャンルのものが中国でも放映されています。


(私が知る限りでも、ネット上では日本での放映とタイムラグがほとんどない形で、大半のドラマが字幕つきで動画サイトにアップされており、多くは若者たちによって消費されています。)


それは、中国の若者たちの間に、新しいおしゃれなライフスタイルや、恋愛観、人生観をもたらしていると呉先生は結論づけていました。

「ドラマを通じた文化の交流によって、戦争を避けることができるのではないか」と最後におっしゃった呉先生の言葉に、深く共感しつつ、これからもおもしろい中国ドラマを人にどんどん勧めよう(?)と思った次第。


その後の質疑応答では、サブカルチャーが日中関係にもたらす変化などについて質問が出されましたが、呉先生の見解では、現在の文化交流はまだまだ日本側の売り込みが勝っていて、中国側の国としての取り組みは積極性にかけるとのこと。宣伝の方法を洗練させるとともに、日本側のドラマ輸入担当者にもっと輸入するよう希望を伝える必要があるとおっしゃっていました。

また、日本のドラマやアニメが好き=即日本が好きにはならない、とも釘を刺していらっしゃって、例えば日本の歴史観について、上海や蘇州などの都会の若者の中には理解を示す人もいるけれども、農村の若者は依然として愛国心が強いので、徐々にゆっくりと変わってゆくという面もあるのでは…と話していらっしゃいました。


    ■    ■    ■


久し振りに学術系の発表を聞くことができて、純粋に知的好奇心が刺激されました。
お誘いくださった、北京日本人学術交流会のみなさんさん、ありがとうございました。

同会は私のような学問してない駐妻でも参加OK。
興味のある方は、

北京日本人学術交流会代表の山口直樹さんまで連絡してみてください。
                   ↓↓↓
              ngodzilla21あっとyahoo.co.jp  
            ※あっとを半角の@に変換してください。




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