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嫉妬に苦しむ

ウォン・カーウァイ監督の「楽園の瑕」という映画をご存じでしょうか。
「恋する惑星」とか「天使の涙」とかの大ヒット作品の間に隠れ、内容がやや難解なこともあり、商業的にはあまり成功しなかった1994年の映画。


なんでこんな邦題になっちゃったのかわかりませんが、原題は「東邪西毒」。
金庸の武侠小説「射雕英雄伝」の脇役、のちに東邪と西毒と呼ばれる武道家たちの若き日々を描いた外伝ものの形を借りつつ、実は手に入らなかった愛への嫉妬に苦しむ現代人の姿を描いています。


セリフの経典映画としても名高いこの作品。
映画はこんな出だして始まります。
「很多年之后,我有个绰号叫做西毒。任何人都可以变得很毒,只要你尝试过什么叫做嫉妒」
(ずっと後になって、私は西毒と綽名されるようになった。どんな人間でもひどく残忍になりうる。ただ嫉妬というものを味わいさえすれば)


嫉妬は人を「毒」する。


と知ったのは、私の場合ずいぶん遅くって、長男のこじゃるを産んでからでした。
それまでの私は、自他共に認めるサバサバ人間で、男性をめぐってほかの女性に嫉妬するとか、自分より優れたほかの誰かに嫉妬するとか、ほとんど皆無。「みんなちがってみんないい」と本気で思っていた、ある意味単純善良なおめでたい人だったかもしれません。


ところが。
こじゃるが8カ月で職場復帰をするとともに、夫が海外へ。
近所に住んでいた姑の手を借りつつの、仕事と子育ての両立が始まると状況は急転します。



●忙しいと姑に保育園の迎えを頼む→●結局寝かしつけまで姑がやってしまう(私はご飯作りや片付けなど家事をもっぱらしている)→●子供は姑がお母さん替わりになる→●私に懐かずおばあちゃんの方がいいと言い出す→●私が面倒をみようとしても子供に拒否されるので、ますます姑が面倒をみることになる→●私は二人だけの世界に入っていけなくなり孤立→●子供が苦手に


とまあ、こんな悪のサイクルで、私は妻妾同宅の本妻みたいな立場に追いやられ、じりじりと嫉妬に胸を焦がしながら、顔には出さずに七転八倒。どうにもできない状況を自分のことに没頭して忘れるようにしていたのでした。
姑はとても子供好きで、いい人だし、私はこの通り怒ってばかりだし、優しさとか包容力とか欠落してるし、子供が今でもおばあちゃん アズ ナンバーワンなのはさもありなん、と、私も頭では分かっているのです。


が、理性と感情は別モノなのね。
この時期、私は自分の中に確実に毒を育て、のちにそれが「魔女」の負の力として発揮されるようになるのでした。
(西毒とまったく同じだ…)


これがまた、実母に見てもらっていたら状況は違っていたかもしれません。
実母はなんだかんだいって、孫より娘がかわいいので娘のために孫の世話をするというスタンスになるはず。
その分、口やかましく別の問題が起きていたかもしれませんが。


そして本当に望ましいのは夫が子供の面倒を見てくれること。
不思議なことに、子供がお父さん大好き(お母さんより好き)になる分には、まったく嫉妬の感情が湧かない。
母というポジション争いをしなくて済むからなのか、ま、そもそも夫にとっても自分の子だからなのか。



こじゃるの時のことが大きなトラウマになってしまい、プリ子を育てるにあたっても、今度は人に取られないようすごく警戒してしまいます。本当はもうちょっと人に預けて外出したいと思っても最小限に機会を減らして我慢。断乳しろしろという勧めも完全無視。


勉強も再開したいし、仕事もしたいし、今を逃したらそれはできなくなっちゃうということもわかっているのだけれど、人に預けてまた前と同じ気持ちを味わうことを考えると、恐ろしくてなかなか前に進めない。

今度毒を育てたら、私、間違いなくダークサイドに堕ちる。



タイガーママさんもコメントを寄せてくれましたが、そう考えると夫婦ともに参加できる北欧型の子育てがやっぱり理想かも。
ジジババやアーイさんはありがたい存在かもしれませんが、私にとってはまたもや母の地位が脅かされるという脅威の一つでもあるのです。


だから、夫に週に一日は確実に休んでほしい、と要求しているわけなのです。
夫は、「ひとを頼んで子供を見てもらえば」と気軽に言うけれど、そんな簡単なものではないのです。

自由な時間と引き換えに、私はまた、嫉妬に怯えるのだから。




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