北京の器【ブログ】

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茶旅読書会・ファイナル(一応)!!

Sさん主宰ではファイナルとなる茶旅読書会が7日、朝陽区のサロン・ド・千華にて開かれました。

ゲストはSさんとも親しいという旅行作家の下川裕治さん。
下川さんと言えば、私たちバックパッカー世代にはバイブルのような存在。

あれから十?年。
私はすっかり長旅をしない大人になってしまいましたが、下川さんは今回も、北京から上海まで各駅停車に乗って旅をするという企画でいらっしゃったとか。

今も旅を続ける下川さんのトークのテーマは「学生たちはなぜ海外に出なくなったのか?」。
先に日本で行われたJATA(日本旅行業会)などによる下川さんも参加された立教大学の学生とのディスカッションの経験を元に興味深いお話をしてくださいました。



   ■    ■    ■


「日本人の若者が保守化していてルーティーン主義に陥っている」
と話す下川さん。
「何時にお風呂に入って…という日頃の決まりが計画通りに進むと安心する」という状態のことだそうで、「旅とは対極なんですね。旅は何が起こるか分からないですから」とおっしゃる通り、旅にはおよそ向いていない若者が増えているらしい。

下川さんがお持ちの資料(法務省「白書・統計/出入国管理」出典)によると、20~29歳の若者の海外出国率は右肩下がり。1998年には、全体の26.2%を占めていたのが、2008年には16.4%にまで下がっているそうで、特に男性に限った統計では、2008年で11.2%まで激減しています。


下川さん
旅に出なくなった学生たちについて話す下川裕治さん=7日、サロン・ド・千華で)


たとえばソーシャルネットワークのミクシィ。
携帯からも利用出来る今、その中の人間関係を重視するあまり、一日書き込みができないと不安という若者がいるといい、接続状況の不安定な国に何週間も旅行するなんて無理に決まっているということになってしまいます。

日本の経済状況が悪化し、若者のアルバイトの時給も下がっているため、値下がり分を埋めるべく、バイトのシフトを増やすしかなく、そうした日常生活の多忙さも学生から旅を遠ざける一因になっているとか。


結果、「なぜ海外に出ないといけないんですか?」という学生のすべての前提をくつがえすような反問に遭ってしまい、旅行会社も旅行作家の下川さんも、言葉に詰まる状況に。

「我々が若い頃は、もっと人生を棒に振れ、毎日をもっと大事に行きろと言ったもんですが、今の若者は人生から一度離脱するのがすごく下手」と下川さんは話します。

学生を旅に消極的にさせたのは、旅行業界側の状況が反映されているところもあり、例えば増えすぎた格安パックツアーによって、安かろう悪かろうという旅行を経験した若者たちが、リピーターにならないことだとか、9.11以降盛んに言われるようになった自己責任問題が尾を引いていて、旅行会社側もとにかく安全にという方向に走るようになったこともあるそうです。

日本人の海外渡航者数は年間延べ1700万人。そこから何度も往復しているビジネス関係の人を除くと、年間700万人しか海外に出ていない計算になるのだそう。
ご自身はずっと旅を続けられてきた下川さんが、「日本人って案外ローカルなんだな」と漏らした言葉が印象的でした。



さて、読書会に集まっている面々は、海外で暮らす日本人というわけで、話は海外旅行から海外に移り住む若者のことに。
「今後日本の経済がダウンして、アジア諸国と給与水準が変わらなくなり、もしくは抜かれるということにもなっていく。実際月給が15万円以下、という若者は増えていて、それなら中国で暮らした方がマシということも出てくると思う」と下川さん。

好むと好まざるとにかかわらず、海外に出ていく“出稼ぎ若者”は増えていくと予想され、下川さんが「みなさんは、これからそういう日本の若者を相手にやっていかなきゃなりません」と話すと、参加者も思わずうなずきます。


今回のテーマは海外で暮らしている参加者も日頃感じることが多いようで、参加者からも「留学生を募集しても定員が埋まらない」とか、「日本の旅行会社は安全・安全と言いすぎる」とか、「なまじ情報が手に入るので、そこで分かった気になって海外まで出てこない」「海外で向上心を持っている日本人の若者は女子ばかり」などと言った体験例がたくさん出てきました。

そんな話を聞きながら、下川さんも「今の若い子は生まれたときからバブルが崩壊していて、サクセスストーリーを描けない。みんな優しくて真面目なんですが、そういう子に出ろ出ろと言ってももう無理かもしれない」なんて言葉も飛び出すと、「こちらに来ていた留学生の男の子が、来たばかりのときは『北京で一番行ってはいけない危ないところはどこですか』などと聞いてきたのに、1年たったら平気で自分で私のところに遊びに来れるようになって成長していた」という参加者からのポジティブな体験談も。また実際に留学生を相手にしている参加者からは「とにかく励まします!来たら絶対にいいことあるから、楽しいからって」という意見も出て、議論は盛り上がりました。


     ■     ■     ■


全体的に、今日の参加者(というか中国で生活する日本人か?)はツワモノ揃いで、ローカルに留まろうとするおとなしい若者を蹴散らしそうな元気のいい人が多かったような気が…。と考えると日本と言う場所がネガティブオーラを出しているのかもしれず、そんなところで青春を送るより、やっぱり若者よ、外に出た方がいいんじゃ?と思ってしまいました。


閑話休題。


さて、本日はもうすぐ日本に帰国されるSさんにとってはファイナル読書会ということで、参加者有志からサプライズの花束贈呈と贈り物が。
参加者の間には、メッセージブックも回され、みな思い思いにSさんへの感謝の気持ちを綴っていました。

昨年から始まった茶旅読書会は今回までで計9回。
ファイナルとなった今回は、過去8回のゲストのうち5人の方も参加。
Sさんとの別れを惜しみました。
読書会は、毎回20~30人の方が集まる大盛況で、一重にSさんのなんとも言えない魅力的なお人柄(とサロン・ド・千華のおいしい料理)のたまものだと思います。
私自身、ここが北京デビューの原点みたいなもので、ここでいろんな方とお知り合いになれ、また、こちらで活躍される著者、翻訳者の方ともお会いすることができ、こういう機会を提供してくださったSさんに心から感謝をしております。


うるうる。

が、当のSさん。
「淋しくないですか?」(←私は淋しい)と水を向けても、「あ~も~、東京でも読書会やるんで~」とか「もう何回も(日本と中国を)行ったり来たりしてますからね~」と拍子抜けするほどあっさり。

曰く「繋がる人とはどこでも繋がりますしね~」

なるほど、そうなのかもしれません。
サヨナラダケガ人生ダ。

また、いつか、どこかでお目にかかれる日を楽しみにしています!!

お疲れさま&ありがとうございました!!


ちなみに、読書会の方は引き続きKOMAさんがまとめ役になって続くそうです。
今後もお知らせがほしいという方は、Sさんにその旨お伝えください。

※「サロン・ド・千華」
 住所:北京市朝陽区関東店南街2号 旺座中心西塔501 
 電話:5207-8030




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日本に向けて”中国”を発信する

こんなに付き合いが長いのに、歪んだレンズを通してお互いを見ている感のある中国と日本。

よく、中国人に「へー、日本人なのに漢字が書けるんだ!」などと感心され、「日本は漢字も使うんだよ」と説明すると、「そうなの?!」と驚かれます。


そんな中、今年9月5日に出版されて以来、じわじわと支持を集めている話題の本『これが日本人だ!』(バジリコ株式会社出版、税込1575円)。
<中国人によって中国人のために書かれた日本および日本人の解説書>との表紙書の通り、普通の中国市民の生の対日観を知ることのできる数少ない図書の一つ。この本の原書『如此日本人』(王志強著、2006年)を見い出し、日本語訳にして世に出した訳者の小林さゆりさんに、お話を聞くことができましたのでご紹介。

   ■     ■     ■  

29日、旺座中心にある「サロン・ド・千華」で開かれた茶旅読書会。
北京で本を出した日本人の著者・訳者などを招いてお話をうかがう会で、今回が3回目。
この日はライター・翻訳者の小林さゆりさんを囲む会ということで、ご本人より同書の出版にまつわるエピソードが披露されました。

小林さん



もともとあまり知られていない「中国人が日本人をどう見ているか」ということに興味があったという小林さん。中国人によって書かれたそれらしき本を見つけては、出版社に送っていたといい、原書の『如此日本人』との出会いも、王府井の大型書店だったそうです。

時に鋭く、時に辛辣に日本人や日本社会を論じる同書に、読み進むにつれて強い感銘を受けたという小林さんは著者の王志強さんに連絡。王さんもむしろ日本で出版されることを歓迎し、喜んでくれたそうです。その後、翻訳そのものは約1年ほどで完成したものの、権利関係の調整でさらに1年の歳月を要し、やっとこのほど出版にいたったとのこと。


日本語版の出版に際しては、日本人に読みやすいように、著者側の承諾を得て、章立てを変え、重複を避けるなどの工夫も。その甲斐もあり、日本人には少々耳の痛い内容も含む本書が、思ったより好意的に受け入れられ、1カ月で増刷がきまったそうです。
「時期的にオリンピックから一年後の中国が落ち着いている今、出版できたこともよかったかなと思います」と小林さん。


内容的には、訳しながらハッとさせられる発見もしばしば。

「たとえば、日本の教育現場でのイジメの問題などは、王さんがご自分の娘さんを日本の学校に通わせる中で、実際に経験したことをもとに考察していて、その指摘にはなるほど、日本にはそういう面があるかもしれないなと考えさせられました」と小林さん。

事実、同書の中で、王さんは、日本人の子供たちが「友達関係」をものすごく重視し、それに悩まされていることに驚きを隠しません。集団から離脱することを、日本人が子供のころからどれだけ恐れているかという指摘には、読者側は「ひょっとして中国および世界ではそうじゃないのか?」と気づかされるということも。


逆に同じようなトピックに関して、「じゃあ、中国人はどうなんだ!」と知りたくなるところですが、小林さんに「日本人から見た中国人を書いてくださいよ」、と水を向けると、さすが学生時代から中国を見てきた方です。「中国人の場合、一口に中国人といっても幅が広すぎて…。これが北京人だ!とか、上海人だ!とかならもしかして書けるかもしれませんね」と笑って軽やかにかわされました。


一途に日中の橋渡しをしたいと、両国の相互理解にかかわる仕事をされてきた小林さん。
「翻訳しながら、たとえこれぜったい違うよ!と思っても、そのまま訳さなきゃいけないことにジレンマを感じることもあったりして、翻訳家向いていないなと思ったりもしたんですが、やっぱり、中国のことを日本の人に知らせたいんです」と、次に翻訳したい本もすでに心の中にある様子。

「やはり、だれかが発信しなければお互いのことが分からない」。
やわらかい受け答えの中にも固い決意がうかがえて、日中間にはこんなに透き通ったレンズもあるんだと認識を新たにしました。


小林さゆりさんのブログは
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「北京メディアウオッチ」 


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これが日本人だ!これが日本人だ!
(2009/09/05)
王 志強

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